発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010080243
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23歳男。運転中に大型トラックと正面衝突し、右鎖骨骨折、消化管穿孔、右膝蓋骨開放骨折などを受傷した。左手は全体的に腫脹し局所熱感を認め、第2~5手根中手(CM)関節に圧痛があった。また、変形があり、橈背側に骨性隆起を触れた。X線の前後面像では第2~5中手骨基部が遠位手根骨列と重なっており、斜位像では第2・3中手骨基部が背側に、第4・5中手骨基部が掌側に転位していた。第2・3CM関節の背側脱臼および第4・5CM関節の掌側脱臼と診断し、徒手整復後ギプス固定を行ったが、3日後に再脱臼を認めたため手術を施行した。腋窩神経ブロック下に徒手整復後、Kirschner鋼線で経皮的に固定し、前腕から中手指節関節近位までギプス固定した。術後4週でギプスを除去して手関節可動域(ROM)訓練を開始し、術後1年2ヵ月経過の現在、CM関節の安定性は保持され、握力は健側に比較して軽度低下しているが、手指・手関節ROMは良好で、日常生活にも支障はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010