臨床室
尾骨骨折変形癒合に対して尾骨切除術を施行した1例
山崎 敦詞
1
,
河村 健二
,
矢島 弘嗣
,
村田 景一
,
水谷 泰士
1市立奈良病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
骨切り術
,
骨折
,
X線CT
,
尾骨
,
変形治癒骨折
Keyword:
Coccyx
,
Osteotomy
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fractures, Malunited
,
Fractures, Bone
pp.643-645
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014367656
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13歳女。約1年前に尻餅をついて尾骨骨折を受傷し、前医で保存的治療が行われるも疼痛は消失せず、円座クッションを使用しないと坐位不可能で、体育の授業も1年間参加不可能であった。初診時、尾骨部に圧痛を認めたが、知覚障害はなく、X線では第2尾骨部で約90°腹側方向に屈曲変形を認め、CTでは尾骨の先端が直腸壁に接していた。血液一般、血清、生化学検査などで異常は認めず、神経学的異常もなかった。全身麻酔下腹臥位で手術施行し、尾骨部に約3cm縦切開を加え、第1、2尾骨間関節は正常であったことから、脱臼ではなく変形癒合と診断した。尾骨を骨膜下に剥離し、腹側の靱帯を切離後、変形癒合部より末梢尾骨を全摘出した。術直後より疼痛は軽快し、術後2週で円座なしに坐位が可能となった。術後2ヵ月頃には疼痛消失し、体育の授業にも参加可能となった。術後1年現在、再発は認めていない。
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