発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008012092
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56歳男、左手の疼痛、高度挫滅を主訴とした。プレス機に左手を挟み受傷した。初診時、左手の挫滅が著しく中指中手指節(MP)関節は開放創であった。創部は高度汚染し数日後に開放創から膿の漏出を認めた。CT所見より有頭骨の粉砕骨片は整復不能で手根管への突出を認めたため、これを除去してKirschner鋼線による中手間の固定で手根骨の整復を行った。さらに、X線にて中指MP関節内粉砕骨折を認めたため、整復固定を行った。術後14ヵ月で有頭骨は偽関節となり、同部の疼痛と橈骨茎状突起部の疼痛が出現した。左手関節は掌屈25°、背屈15°、握力2kgであった。単純X線では中指MP関節変形性関節症、第3、第4中手骨間の不適合、舟状骨のring sign、橈骨舟状骨関節の関節症変化、carpal heightの減少、dorsal intercalary segment instability変形を認めた。有頭骨への腸骨移植、舟状月状骨間の靱帯再建、橈骨茎状突起の切除を行った。術後2年の現在、手関節は掌屈20°、背屈45°、握力5kgとわずかに改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007