経験と考察
腰仙椎移行部椎間孔狭窄に対する保存的治療の限界
磯貝 宜広
1
,
小川 潤
,
篠崎 義雄
,
渡邊 隆一
1静岡赤十字病院 脊椎センター
キーワード:
X線診断
,
脊柱管狭窄
,
脊柱側彎症
,
脊椎すべり症
,
X線CT
,
腰仙部
,
椎間孔
Keyword:
Lumbosacral Region
,
Radiography
,
Scoliosis
,
Spinal Stenosis
,
Spondylolisthesis
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1155-1158
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014007150
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腰仙椎移行部(L5/S1)椎間孔狭窄に対する保存的治療の限界について検討した。L5/S1椎間孔狭窄を疑い治療し、軽快した73例を対象とした。ブロック注射後に症状が軽快し、最終観察時に症状がほぼ消失していた13例を保存群、ブロック注射後一時症状が軽快したがすぐに再燃し、椎間孔でのL5神経根の除圧もしくはL5/S1後方椎体間固定術を行い、術後に軽快した60例を手術群とした。推間孔の計測で、保存群では前後距離の狭窄は5例に認めたが、頭尾距離の狭窄は認めなかった。手術群では前後距離の狭窄は31例、頭尾距離の狭窄は10例に認めたが、両群に有意差は認めなかった。骨棘は、手術群で有意に多く認めた。CT矢状断像で椎弓根骨棘距離が4mm以下の高度な狭窄は、保存的治療の限界を示す目安である可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2013