発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139693
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L5神経以外の腰神経における椎間孔部障害で除圧術を行った腰椎椎間孔狭窄症11例(男6例、女5例、平均69.4歳)を対象に、遠位潜時を用いた術中電気生理学的診断法(DML)の有用性について検討した。腰神経圧迫の原因は圧迫骨折後の椎体圧潰2例、変性側彎7例、外側ヘルニア2例で、障害神経はL2が3例、L3とL4が各4例であった。L2神経刺激大腿四頭筋記録の遠位潜時(L2-DML、患側/健側)はそれぞれ12.0/9.9ms、9.2/8.0ms、7.2/6.4ms、L3-DMLは10.4/9.6ms、10.9/9.1ms、8.8/7.5ms、13.2/10.0ms、L4神経刺激前脛骨筋記録の遠位潜時(L4-DML)は17.5/14.8ms、19.0/13.9ms、18.1/15.0ms、14.0/12.2msであった。椎間孔外におけるL2神経障害3例のL2-DMLの健患差はそれぞれ2.1ms、1.2ms、0.8ms、L3-DMLでは0.8ms、1.8ms、1.3ms、3.2ms、L4-DMLでは2.7ms、5.1ms、3.1ms、1.8msであった。DML法は、L5神経以外の腰神経障害評価として臨床応用可能と考えられた。
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