発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012220011
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腰部脊柱管狭窄に対し後方除圧術を施行した112例(男61例、女51例、平均68.6歳)を対象に、術後の椎間関節嚢腫発生について検討した。術後1年時のMRIで椎間関節嚢腫を認めたのは16例(発生頻度14.3%)で、除圧椎間232椎間中17椎間(7.3%)であった。これらのうち臨床症状を呈したのは2例のみで、保存的治療により痛みは消失した。嚢腫発生例と発生なし例で手術時年齢、性差に有意差はなく、変性すべりのある58椎間での嚢腫発生は2椎間、すべりのない174椎間は15椎間で、発生頻度に有意差はなかった。椎間可動域(ROM)は、L2/L3椎間で嚢腫発生例が10°、非発生例平均7.3°、L3/L4椎間はそれぞれ7.5°、6.9°、L4/L5椎間は9.2°、8.6°、L5/S1椎間は12°、8.0°で、いずれも有意差はなかった。また術後に椎間ROMが3°以上増大した椎間とそれ以外の比較でも発生頻度に有意差はなかった。腰椎側彎の程度は嚢腫発生例、非発生例とも平均3.1°であった。
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