臨床室
環軸椎亜脱臼を伴った頸椎後彎症の1例
東村 隆
1
,
野原 裕
,
本田 俊夫
,
大関 覚
1獨協医科大学附属越谷病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
自家移植
,
環軸関節
,
頸椎
,
骨移植
,
骨ねじ
,
MRI
,
脊髄造影
,
脊柱後彎症
,
脊椎固定術
,
腸骨
,
椎弓切除術
,
環軸椎不安定性
Keyword:
Bone Screws
,
Atlanto-Axial Joint
,
Cervical Vertebrae
,
Ilium
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laminectomy
,
Kyphosis
,
Myelography
,
Radiography
,
Spinal Fusion
,
Transplantation, Autologous
,
Bone Transplantation
pp.421-425
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014255383
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58歳男。23歳時に誘因なく高度な後頭部痛と頸部痛が出現したが、一時的であり放置していた。また、38歳時に転倒して頸部を打った際、近医で環軸椎の亜脱臼と頸椎後彎を指摘されたが、頸部痛は一時的であり放置していた。約1年前より頑固な後頭部痛や頸部痛が出現し、徐々に両上下肢運動障害、疼痛、痺れおよび歩行障害も出現して当科紹介入院となった。単純X線でC2~C5の高度後彎、環軸椎の亜脱臼、C3~C5の椎体前縁の骨棘形成を認めた。また、MRIではC1高位で脊髄の高度な圧迫があり、前屈・後屈とも中間位と同様の脊髄圧迫を認め、C3~C6高位では後彎による脊髄の圧迫を認めた。C1椎弓切除、C3~C7の椎弓形成術(桐田-宮崎法)の後、Oc~C7の椎弓根スクリューシステムを併用し腸骨骨移植を行った後方矯正固定術を施行した。術翌日より疼痛、上下肢麻痺は改善し、術後8ヵ月の現在、軽度の頸部痛は残存するもののJOAスコアは術前6点から15点に改善している。
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