臨床室
硬膜管背側脱出腰椎椎間板ヘルニアの1例
菊池 克彦
1
,
細川 哲
,
楊 昌憲
,
深川 真吾
,
山本 俊策
1国家公務員共済組合連合会千早病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
硬膜
,
MRI
,
椎間板ヘルニア
,
椎弓切除術
,
腰椎
Keyword:
Dura Mater
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lumbar Vertebrae
,
Laminectomy
,
Radiography
pp.433-435
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211798
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78歳男。腰部~左臀部痛、右下肢脱力による歩行障害を主訴とした。腰部硬膜外ブロックを受けた翌日より右下肢脱力が出現し、初診時には両下肢の腱反射と筋力の低下、軽度の排尿遅延がみられた。単純X線像ではL2/L3、L4/L5、L5/S1椎間板変性とL2/L3の左側凸の楔状変形を認め、造影MRIではL3椎体レベルの脊柱管内背側にT1強調画像で脊髄液よりやや高信号を示し、T2 強調画像では低信号領域と高信号領域が混在する占拠性病変と、病変周囲の造影効果と馬尾の右側偏位を認めた。硬膜外腫瘍を強く疑い広範椎弓切除術に広範な除圧下での病変摘出を行ったが、L2/L3椎間板腔の狭小化、真空現象と同部位での楔状変形を認め、術後の病理学的所見と併せて椎間板変性が高度なL2/L3からの硬膜管背側脱出椎間板ヘルニアと診断した。術後は下肢痛の消失と筋力の回復を認めた。
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