臨床室
二期的後方・前方固定術で治癒した腰椎前方術後メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染の1例
福田 章二
1
,
堀 裕彦
,
清水 孝志
,
西本 博文
,
伏見 一成
,
清水 克時
1彦根市立病院 整形外科
キーワード:
骨移植
,
脊椎骨折
,
脊椎固定術
,
デブリードマン
,
ブドウ球菌感染症
,
腰椎
,
失血-外科
,
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
手術時間
,
骨折-破裂
Keyword:
Debridement
,
Lumbar Vertebrae
,
Spinal Fusion
,
Staphylococcal Infections
,
Bone Transplantation
,
Blood Loss, Surgical
,
Spinal Fractures
,
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus
,
Operative Time
pp.325-328
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013197292
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
37歳男。背部痛を主訴とした。L1破裂骨折に対する腰椎前方固定術後にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染を来し、合計四度にわたる病巣ドレナージと郭清術を行い、2度目の病巣郭清時にインプラントを抜去したが、感染は遷延した。最終的に後方インストゥルメンテーションを用いた二期的な後方固定術-前方病巣郭清と骨移植手術を行い、術後の経過中に残存椎体の一部に生じた腐骨の除去を要したものの、その後2年2ヵ月の現在まで感染の再燃はない。本例ではアレルギー反応のためMRSA抗菌薬の使用に制限があったほか、複数回の病巣郭清術による骨移植部周辺の血流低下から構造的不安定性を伴い感染コントロールに難渋したと考えられた。MRSA感染が遷延し、複数回の手術侵襲による周囲軟部組織の血流低下が危惧される症例においても、後方インストゥルメンテーションの有効性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2013