臨床室
大腿骨頸部骨折を合併し多系統萎縮症に伴う呼吸不全で死亡した1例
中村 幸男
1
,
多田 秀穂
,
伊藤 俊英
,
本田 哲三
1昭和伊南総合病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
呼吸不全
,
心肺蘇生法
,
大腿骨頸部骨折
,
X線CT
,
多系統萎縮症
,
致死的転帰
Keyword:
Femoral Neck Fractures
,
Radiography
,
Respiratory Insufficiency
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fatal Outcome
,
Cardiopulmonary Resuscitation
,
Multiple System Atrophy
pp.329-331
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013197293
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67歳女。左股関節痛による歩行不能を主訴とした。歩行中に転倒して受傷し、X線像でGarden分類stageIVの左大腿骨頸部骨折を認めた。鼾様呼吸がみられる多系統萎縮症患者で、頭部CTでは小脳と脳幹部に著明な萎縮を認めたが、骨折受傷前に患者が歩行可能で、患者と家族が手術による歩行獲得を希望したため、十分なインフォームド・コンセントの上全身麻酔下での人工骨頭置換術予定とした。多系統萎縮症に伴う全身状態の精査をすすめながら、床上リハビリテーションと体位交換、経鼻的酸素投与を行っていたが、手術予定日直前に高熱と呼吸状態の悪化を来して死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013