発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151493
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脊椎手術563例(男310例・女253例・平均58.5歳)を対象に、手術部位感染(SSI)の発生率と危険因子の調査およびプロトコルの影響について後ろ向きに調査した。評価方法は、米国疾病予防管理センターに基づいてSSIを定義し、発生率を調査した。SSI危険因子の検討では、年齢、性別、プロトコルの遵守、インプラント手術、多数回手術例、糖尿病、ステロイド服用、癌既往、血液透析、肥満、低栄養(Alb 3.5g/dl以下)、手術時間、術中出血量を調査項目とした。予防的抗菌薬投与(AMP)プロトコルの遵守に関しては、遵守の有無により2群に分類し、SSI発生率やMRSA感染率、危険因子項目を比較した。その結果、SSIの発生率は3.9%(22例)であった。単変量解析および多変量解析の結果、SSIの危険因子は男性、インプラント手術、血液透析、低栄養であった。AMPプロトコルの遵守の有無による比較では、SSI発生率やMRSA感染率に有意差はなく、各危険因子項目についても有意差はなく、AMPプロトコルによる弊害はみられなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013