臨床室
脊髄サルコイドーシスの2例 圧迫性脊髄症と炎症性脊髄症の混在した病態の検討
仲田 紀彦
1
,
山田 高嗣
,
下出 真法
,
吉澤 利弘
1NTT東日本関東病院 整形外科
キーワード:
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
MRI
,
脊髄
,
脊髄圧迫
,
脊髄疾患
,
サルコイドーシス
,
外科的減圧
,
パルス療法(薬物療法)
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
Sarcoidosis
,
Spinal Cord
,
Spinal Cord Compression
,
Spinal Cord Diseases
,
Decompression, Surgical
,
Pulse Therapy, Drug
pp.319-323
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013197291
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脊髄に初発したサルコイドーシス2例の臨床経過をもとに、発症早期の脊髄サルコイドーシスに対する除圧手術の有効性について検討した。症例1(42歳男)、四肢のしびれ、歩行障害、排尿・排便障害を主訴とした。症例2(61歳男)両上下肢の脱力を主訴とした。2例ともMRI所見の脊髄病変のみで組織所見の裏付けがなく、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会の脊髄サルコイドーシスの診断基準に照らすと、症例1は疑診、症例2はpossible群の診断であり、確定診断は得られなかったが、臨床所見と経過、ステロイド治療への反応性から臨床的に本症と判断した。早期からのステロイド治療により、2例とも現時点で他臓器の病変を認めていない。また、発症早期にステロイド治療に先行して除圧手術を行った症例2では機能回復が得られ、発症早期の除圧手術が予後改善に寄与する可能性が示された。
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