経験と考察
先天性伸筋腱中央索形成不全に対する装具治療
日高 典昭
1
,
金城 養典
,
笹岡 隆一
,
上村 卓也
,
山本 研
,
細見 僚
1淀川キリスト教病院 整形外科
キーワード:
関節可動域
,
変形性関節症
,
腱
,
手関節
,
先天性関節拘縮症
,
手関節・手部装具
,
伸筋
Keyword:
Arthrogryposis
,
Osteoarthritis
,
Tendons
,
Wrist Joint
,
Range of Motion, Articular
pp.117-121
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151496
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先天性伸筋腱中央索形成不全に対し、近位指節間(PIP)関節の伸展位を保持する装具を装着した16例(生後0~34ヵ月)を対象に治療成績を検討した。検討項目はROM、拘縮・変形などの残存、完全伸展が可能となった時期、装具の装着期間、装着状況とした。また、装具の効果を検討するため、装具を終日装着していたA群と、就寝時などに限られた時間のみ装着していたが、殆ど装着していなかったB群に分け、両群間でPIP関節の完全伸展が可能になるまでの日数を比較した。経過観察期間は4ヵ月~4年11ヵ月(中央値1年8ヵ月)であった。最終調査時には全例でPIP関節の自動伸展が可能となっていた。完全伸展が可能となった時期は1ヵ月~3年7ヵ月(中央値101日)であった。軽度の変形を遺残したものは5例であった。装具の装着状況と完全伸展が可能になるまでの日数の関係については、A群は平均117日、B群は平均468日で有意差を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013