経験と考察
頸椎椎弓形成術後の軸性疼痛発生の危険因子
富田 誠司
1
,
金 明博
1済生会茨木病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
危険因子
,
頸椎
,
術後痛
,
椎間板ヘルニア
,
後縦靱帯骨化症
,
失血-外科
,
頸椎症性脊髄症
,
椎弓形成術
,
手術時間
,
棘突起縦割法
Keyword:
Cervical Vertebrae
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Pain, Postoperative
,
Risk Factors
,
Radiography
,
Range of Motion, Articular
,
Blood Loss, Surgical
,
Ossification of Posterior Longitudinal Ligament
,
Laminoplasty
,
Operative Time
pp.113-116
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151495
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頸部脊髄症に対して棘突起縦割式椎弓形成術を施行し、術後1年以上経過した31例を対象に、術後に軸性疼痛が生じた9例(A群)と生じなかった22例(B群)に分け検討した。患者背景として性別、年齢、術前診断を、神経症状の評価項目としてJOAスコアおよびその改善率を調査した。また、手術および後療法の評価項目として拡大椎弓範囲、手術時間、出血量、術後外固定期間を調べた。X線学的評価項目としては、単純X線側面像における術前前彎角と前後屈時のROMを測定し、術前と最終調査時の変化を計算した。その結果、患者背景と手術、後療法の評価項目において両群間に有意差はなかった。神経学的には術前JOAスコアに有意差はなかったが、JOAスコアの改善率はA群が有意に低かった。X線学的には術前前彎角、術前ROMは両群間に有意差はなかった。前彎角の減少は両群間に有意差はなかったが、A群が大きい傾向にあった。ROMの減少はA群が有意に大きかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013