臨床室
長趾伸筋腱より発生した滑膜性骨軟骨腫症の1例
宮本 周一
1
,
新籾 正明
,
政木 豊
,
松浦 龍
1さんむ医療センター 整形外科
キーワード:
X線診断
,
腱
,
足指
,
免疫組織化学
,
滑膜軟骨腫症
,
伸筋
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Radiography
,
Toes
,
Tendons
,
Chondromatosis, Synovial
pp.460-462
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013211805
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70歳女。右足背の腫瘤を主訴とした。腫瘤は約6年前より徐々に増大し、初診時には右足背中央に骨性硬の腫瘤(約3×3cm)を触知したが、圧痛、熱感、発赤はなく、足趾の可動域(ROM)は正常であった。単純X線像では足背の軟部組織内に楕円形の軟部組織腫瘤陰影と骨化性病変を認め、腰椎麻酔下に腫瘤摘出術を行ったところ、長趾伸筋腱が腫瘤を貫通するかたちで交通しており、摘出した腫瘤は一部骨化を伴う軟部組織で、腫瘤を覆う被膜は滑膜組織であった。本症例は長趾伸筋腱から発生した滑膜性骨軟骨腫症と診断され、その成因については、繰り返されるminer traumaが滑膜の化生を起こした可能性が示唆された。術後1年経過時点で腫瘤の再発や疼痛はなく、関節ROMも正常であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013