発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151497
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63歳女。両手の痺れ、両上肢・膝下の締めつけ感、歩行障害を主訴とした。X線側面像で環椎歯突起間距離が前屈位で8mm、後屈位で6mmと非整復性の亜脱臼を認めた。MRI矢状断像では歯突起後方から斜台にまでおよぶT1強調像で等信号、T2強調像で低信号~一部高信号を示し、ガドリニウムで広範囲に造影される腫瘤を認めた。3-DCT矢状断像では環軸椎亜脱臼と歯突起後方~斜台におよぶ石灰化を伴った腫瘤を認め、歯突起、環椎の一部に骨破壊像も認めた。手術は環椎椎弓を切除し、C1/C2椎間関節から生検を行った。術中迅速未染色凍結切片偏光顕微鏡像で、青または黄色に光るピロリン酸カルシウム二水化物結晶を確認したため、C1/C2外側塊スクリューによる後方除圧固定術を行った。術直後より症状は改善し、術後1年のMRIでは歯突起後方の腫瘤はほぼ消失していた。術後2年のMRIでは、斜台部分の腫瘍もほぼ消失していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013