発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151498
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58歳男。右手関節痛を主訴とした。単純X線で尺骨頭の背側脱臼と手根骨全体の尺側変位を認め、尺骨頭掌側と月状骨背側が関節面を形成していた。また、橈骨手根関節に著明な変形性関節症を認めた。橈骨舟状月状骨間固定の適応と考えられたが、大きめの移植骨を挟み込んで橈骨月状骨間固定を行って、橈骨舟状骨間を除圧する方針のもと、橈骨月状骨間固定のみ行うこととした。手術は背側より展開した。そろばんの玉状に変形した尺等骨に接して、総指伸筋腱が手関節レベルで瘢痕組織となって、近位・遠位の腱組織との連続性を保っていた。関節架橋型創外固定器で手関節に牽引をかけ、切除した尺骨頭を採型し移植骨とし橈骨月状骨関節に挟み込み、DTJ Mini Screw 2本で固定した。術後8ヵ月の現在、手関節橈側の疼痛が僅かに残存しているが、手関節ROMは良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013