症例
長母指伸筋腱の骨折部嵌頓を伴った橈骨遠位端骨折の1例
伊藤 貴明
1
,
藤井 秀人
,
吉田 晃
,
松田 匡司
1済生会富山病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
腱損傷
,
内固定法
,
骨板
,
再手術
,
手関節
,
橈骨骨折
,
嵌頓
,
長母指伸筋
,
腱移行術
Keyword:
Bone Plates
,
Fracture Fixation, Internal
,
Reoperation
,
Radiography
,
Radius Fractures
,
Tendon Injuries
,
Tendon Transfer
,
Wrist Joint
,
Range of Motion, Articular
pp.243-245
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016167428
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62歳女。電気ドリル使用中にドリル先が左前腕遠位部で服を巻き込まれ受傷し、同日に当科を受診した。初診時、母指の運動時痛は著明であったが、IP関節は伸展可能であった。単純X線所見より、AO分類23A3のSmith型橈骨遠位端骨折と診断し、受傷後6日目に骨接合術を行った。術後早期より可動域訓練を開始したが、母指伸展障害が出現したため、再手術を行ったところ、長母指伸筋腱(EPL)の骨折部嵌頓が明らかとなった。EPLは完全断裂に近い状態で、操作中にEPL断裂を生じたため、固有示指伸筋腱による腱移行術を施行した。術後は母指の運動時痛が消失し、IP関節伸展も可能となった。術後6ヵ月の時点で手関節背屈80°/掌屈70°、Cooney手関節機能評価法ではexcellent、斉藤の評価法ではgoodであった。
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