発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012339625
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棘突起正中縦割進入法(本法)後の腰椎すべり症発生について調査した。腰部脊柱管狭窄症に対し本法を行い、6ヵ月以上経過観察可能であった80例127椎間(男47例、女33例、平均年齢72±8歳)を対象とした。術前腰椎単純X線中間位側面像により、すべりのある症例をSL群(30例43椎間)、すべりがなかった例をSD群(50例84椎間)に分けた。その結果、SD群のうち、術後2例2椎間にすべりの発生を認め、腰椎すべり発生率は2.4%であった。この2例は、術前中間位側面像で1mmの滑りを認めた。SL群においては、腰椎すべり量、腰椎すべり率は術前後で有意差は認めなかった。また、腰椎動揺性、腰椎動揺率、および後方開大角についても有意差は認めなかった。JOAスコアについては、SD群、SL群とも術後有意に改善していた。本法後のすべり発生率は極めて低く、術後腰椎不安定性も生じなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012