発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175553
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過酷なトレーニングが骨代謝に及ぼす影響を検討するため、レンジャー訓練に参加した自衛隊員112名(男、平均25歳)の骨代謝マーカーを測定した。訓練を完遂できたのは86名で、他の26名は体力・気力とも極限に達し途中離脱となった。血清中の骨型アルカリホスファターゼは、完遂群で訓練開始前平均23.0U/Lが終了後29.2U/Lと有意に上昇した。脱落群の開始前値は27.3U/Lで、完遂群に比較して有意に高値であった。血清オステオカルシンも完遂群は開始前4.9ng/mlから終了後6.4ng/mlと有意に上昇し、脱落群の開始前値は6.4ng/mlと完遂群よりも有意に高値であった。尿中I型コラーゲン架橋Nテロペプチドは、完遂群で開始前23.4nmolBCE/mmol・Crが終了後19.3nmolBCE/mmol・Crと有意に減少した。脱落群の開始前値は16.7nmolBCE/mmol・Crで、完遂群に比較して有意に低値であった。レンジャー訓練により骨形成は促進され、骨吸収は抑制された。
©Nankodo Co., Ltd., 2012