発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012175554
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症例1:42歳男。頸部痛で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を投与されたが翌日微熱、開口障害、嚥下時痛、頸部回旋困難、頭痛も出現し、紹介受診した。頸椎X線では後彎位を呈し、後咽頭部軟部陰影が拡大していた。頸椎MRIで椎体前方に広がる浮腫性病変を認め、咽後膿瘍が疑われたが、頸椎CTでは環軸関節前方に石灰沈着を認め、石灰沈着性頸長筋腱炎を考えてNSAIDs継続とした。7病日程度で症状はほぼ消失し、その後、椎体前方病変、石灰沈着像の消失も確認された。症例2:36歳女。頸部痛と頭痛を主訴とし、頸椎MRIを撮像した前医より咽後膿瘍疑いで紹介された。症例1と同様の画像所見より石灰沈着性頸長筋腱炎を考えてNSAIDs投与のみとし、7病日目には軽快した。症例3:40歳男。頸部から背部への痛み、頸部動作時の強い疼痛を主訴とした。NSAIDs内服を開始し、症状は当初増悪したが、画像所見から石灰沈着性頸長筋腱炎と診断し、5病日目には大幅に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012