発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008091702
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症例は大学体育会アルペンスキー選手の18歳女性で、両側下肢痛を主訴とした。脛骨下腿内側・中下1/3部に圧痛を認め、単純X線像に明らかな異常はなかったが、骨シンチグラムで脛骨中下1/3部に線状の集積更新がみられた。また、ヒラメ筋のストレッチで疼痛が誘発された。シンスプリントの診断で、スポーツ活動の中止と下腿筋のストレッチングにより経過観察を行った。一方、二重エネルギーX線吸収法で腰椎骨密度を測定したところ、0.929g/cm2であった。血清アルカリ性ホスファターゼ(ALP)・骨型ALP・オステオカルシン(OC)・非カルボキシル化OC・尿中I型コラーゲンN末端架橋ペプチド・カルシウム/クレアチニン・1,25(OH)2Dは高値、血清25(OH)Dは低値であった。血清副甲状腺ホルモンは、やや高値を示したものの、正常範囲であった。ビタミンD不足と低骨密度と診断し、活性化ビタミンD 3製剤の内服を開始した。6ヵ月後、生化学検査の異常値は改善傾向を示し、腰椎骨密度は0.956g/cm2となった。両側下腿の疼痛・圧痛は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008