発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139702
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67歳男。35歳頃に腰痛を主訴に受診し、全脊椎X線で竹様脊柱を、血液検査でHLA-B27陽性を認め、強直性脊椎炎と診断した。以後腰痛に対し非ステロイド性抗炎症薬を処方していたが、2年前頃より左股関節痛が出現し、徐々に増悪した。両股関節X線で高度な骨盤の後傾と関節裂隙の狭小化を認め、左側は進行期、右側は初期変形性股関節症の像であった。疼痛は強く、股関節可動域制限による著明なADL低下を認めたため、左側のmetal on metal型人工股関節全置換術(THA)を選択した。人工股関節はBIOMET社のMagnum and BIMETRIC XR THAシステム(骨頭サイズ50mm、カップサイズ56mm、ステムサイズ11×150mm)を使用した。術後6ヵ月で左股関節可動域は明らかに改善し、術前の臥位から坐位への体位変換困難などのADL障害も改善して介助なしでの体位変換が可能になった。日整会股関節機能判定基準は術前32点から75点に、Barthel指数は70点から85点に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011