発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139703
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:38歳男。3年前から掌蹠膿疱症で治療を受けていた。誘因なく右大腿痛を自覚し、X線・CTで右大腿骨皮質骨の肥厚と内部の骨溶解像が認められた。MRIでは皮質骨がT1強調画像で低信号を示し、T2強調画像・ガドリニウム造影では皮質骨内部・周辺に高信号域が認められた。症例2:75歳女。1年前から両足皮疹の治療を行っていた。誘因なく左大腿痛を自覚し、画像所見は症例1と同様であった。症例3:60歳女。30歳代から掌蹠膿疱症で治療を受けていた。誘因なく右大腿痛を自覚し、X線で右大腿骨小転子付近の皮質骨に不整な骨透亮像を、CTで骨溶解像が認められた。全例骨生検を施行し、骨髄組織の線維化と形質細胞およびリンパ球の浸潤を認め、採取組織の細菌培養で菌は検出されず、SAPHO(synovitis、acne、pustulosis、hyperostosis、osteitis)症候群による骨病変と診断した。症例3は生検後疼痛が軽減し、症例1は11年、症例2は7年経過して疼痛なく歩行可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011