発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012290295
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32mm骨頭を用いた人工股関節全置換術における高度架橋ポリエチレンの摩耗について、36関節(男22関節、女14関節、平均年齢59.4歳)を対象に検討した。対象の原疾患は変形性股関節症23関節、大腿骨頭壊死症12関節、強直性脊椎炎1関節であった。術後1年までのcreep変形は平均0.08±0.03mmで、その後磨耗はほとんど進行せず、術後7年における摩耗量の合計は平均0.10±0.07mmであった。年平均線摩耗量は0.01mmと非常に低値であり、ポリエチレンの厚さ5mmと6mm以上で比較したところ、摩耗量の差異はなかった。また、術後脱臼はなく、JOAスコアは術前平均44.1点が最終観察時平均85.6点に改善し、臨床成績は良好であった。以上のことから、大径骨頭と高度架橋ポリエチレンの組み合わせは低摩耗性であるということが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2012