発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007037991
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54歳女。両側先天性股関節脱臼に対して14歳時に左側、15歳時に右側のSchanz骨切り術を受けた。術後は鎮痛薬を使用しながら日常生活を送っていたが、52歳頃から徐々に疼痛が増強し、歩行障害が悪化してきたため受診した。両股関節とも高位脱臼状態であり、大腿骨近位部に著明な変形を認めた。転子下短縮矯正骨切り術を併用した人工股関節全置換術を行い、結果、疼痛は消失し、歩行障害も改善した。転子下短縮矯正骨切り術を併用することのメリットとして次のような点が挙げられる。転子下で骨切りし近位骨片を反転することにより、大転子を切離しなくても良好な視野が得られ、臼蓋コンポーネントの原臼設置が可能。過度の脚延長なく人工関節の設置ができるので神経麻痺を回避できる。一期的な変形矯正が可能。
©Nankodo Co., Ltd., 2006