発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139698
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82歳男。転倒して右上腕骨通顆骨折を受傷し、近医でギプス固定を受けたが、8ヵ月経過後も骨癒合しなかった。右肘関節の疼痛は著明で、屈曲95°、伸展-80°で強直し、X線所見よりAO分類13-A2-3-1の右上腕骨通顆骨折後偽関節と診断した。手術を施行し、偽関節部の掻爬後、Kirschner鋼線で仮固定を行った。外側骨柱部は骨移植不要と考えたが、内側骨柱部は骨萎縮・硬化部位の除去により一部肘頭窩にかかる大きな骨欠損が予想された。このためまずマイクロボーンソーで上腕骨前方を5mm残すように病的部分を切除した後、骨欠損部位を計測して腸骨から採取した移植骨を立体的に形成し、欠損部位にはめ込んだ。外側はONI tanscondylarプレート、内側は1/3円プレートで固定した。術後4ヵ月で骨癒合し、肘の疼痛は消失して屈曲135°、伸展-15°、回内90°、回外85°となり、日整会肘機能評価法は93点、Mayo elbow performance scoreは100点であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011