発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139697
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切除術を施行し良性脂肪原性腫瘍または高分化型脂肪肉腫と組織診断した172例(男71例、女101例、平均57歳)を対象に、術前診断におけるMRIと針生検の正診率について検討した。Gaskinらの診断基準によりMRIで高分化型脂肪肉腫と診断したのは41例で、そのうち16例は最終病理診断が良性腫瘍(脂肪腫6例、紡錘形細胞脂肪腫4例、線維脂肪腫3例、その他3例)であった。MRIで良性腫瘍と診断した131例は全例最終診断でも良性腫瘍であった。針生検で高分化型脂肪肉腫と診断した18例のうち17例は最終病理診断でも高分化型脂肪肉腫で、良性腫瘍と診断した7例中3例は高分化型脂肪肉腫であった。高分化型脂肪肉腫におけるMRIの感度は100%、特異度は89%、針生検はそれぞれ85%、80%で、MRIの方が高かった。MRIと針生検の両方を行った25例のうち、共に高分化型肉腫と診断した18例中17例は最終病理診断も高分化型脂肪肉腫であったが、1例は脂肪腫であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011