発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011103829
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22歳男。バレーボールで右手を強く突き、手関節部痛が持続した。受傷2ヵ月後のX線で舟状骨近位部の骨折を認め、外固定および低出力超音波パルス療法を行ったが、骨癒合は得られなかった。受傷6ヵ月後に手術目的で入院し、入院時には労作時手関節部痛、掌屈45°、背屈40°の可動域制限を認めた。X線では舟状骨近位部に偽関節を認め、CTで偽関節部に圧潰はなかった。手関節鏡で偽関節部が安定していることを確認した後、坪川らの方法に準じて線維性組織を鋭匙・鉗子により掻爬した。次いで、背側に小切開を行い、透視下にDTJスクリュー(メイラ社製)のガイドワイヤーを刺入し、遠位スレッド手前までドリリングした。骨移植は、偽関節部の展開を行わず、ドリル孔からドリルと同径の筒を挿入し、頸椎用採骨器で腸骨より採取した海綿骨チップを骨内に充填した。その後、ガイドワイヤーを再刺入し、DTJスクリューによる内固定を行った。術後3週間の外固定を行い、8週で骨癒合を確認した。手関節部痛は消失し、可動域も掌屈85°、背屈80°と改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011