発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011186408
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四肢長管骨骨幹部の転位性骨腫瘍に対し有茎液体窒素処理自家骨を用いた3例について検討した。対象は女2例・男1例、年齢は42歳、63歳、65歳で、癌種は腎癌、乳癌、肺癌、部位は大腿骨2例、上腕骨1例であった。有茎液体窒素処理法は、一ヶ所の骨切りで腫瘍部を切離することなく有茎で液体窒素処理を行う方法で、一連の処理法として液体窒素処理20分、室温20分、蒸留水処理20分を行った。術後の再建法は全例、髄内釘による固定、腫瘍による骨皮質破壊に応じてセメント補強を行った。また、骨切り部に対して髄内釘のリーミング時に回収できる海綿骨を骨移植した。術後は全例で骨癒合を認め、平均骨癒合期間は6.7ヵ月で、最終観察時のEnneking患肢機能評価は平均95.7%であった。術後の後療法は下肢(大腿骨)2例において、平均の術後離床開始期間2日、起立訓練開始期間3日、2本松葉杖歩行開始期間4日、2本松葉杖歩行部分荷重開始期間1ヵ月、1本松葉杖歩行開始期間2ヵ月であった。また、骨癒合が完成するまでは1本杖歩行を指示した。上肢(上腕骨)1例では、術後4週で重い荷物をもつ以外に制限は指示しなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011