発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011055693
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
著者らは腰椎変性疾患に対し楔状型ケージ(Pyramesh-LT)を用いて単椎間後方侵入腰椎椎間固定術を行った103例を対象に、術後矢状面アライメントを検討した。手術時平均年齢60.1歳、術後観察期間平均30ヵ月の結果、1)L1~S1角は術前35.3°から最終36.6°と維持され、腰椎ROMは術前31.4°から最終28.8°と減少した。また局所前彎角は全体では術前12.1°から最終15.1°と前彎が獲得されていた。2)局所前彎角の推移を固定椎間レベルでみると、L4/L5でのみ前彎が獲得されていた。一方、前方椎間板高は全体では術前10.2mmから最終12.7mmと増加し、レベル別にはL4/L5、L5/S1で増加が認められた。3)JOAスコアは術前13.4点が最終24.7点と改善し、平林改善率は75.0%であった。4)骨癒合は100例(97.1%)で得られ、偽関節は3例中2例が無症状で経過観察中であり、1例に再固定術が行われた。更に術後2年以降に隣接椎間障害で4例(3.9%)に再手術が行われ、隣接椎体骨折で1例(0.9%)に再手術を要した。5)前方椎間板高が開大でき、より高く前彎が強いケージが挿入可能であった症例では、良好な局所前彎位を獲得することができた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010