発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140055
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L5の変性後方すべりを伴う腰椎椎間孔狭窄症(LFS)について脊髄造影検査後マルチスライスCTにて腰椎の再構成矢状断像を作製し,腰椎椎間孔の形態を定量的に評価した.対象は2001年1月から2002年12月までに脊柱管内病変,椎間板ヘルニア,分離すべり症などを認めないもののL5神経根領域の根性疼痛を呈した5例とした.再構成矢状断像にて椎間孔の骨性形態は詳細に描出され,この病態では1)L5椎体孔上部の高さの減少,2)L5椎体後下縁~S1上関節突起間距離が3mm以下,3)L5椎体の後方すべり3mm以上が重要な指標であることが判明した.LFSはMRIによる補助診断や神経根ブロックによる確定診断を要することが多く,後根神経節の位置に個人差があることから画像所見と症状発現に差が出るなどの問題点はあるが,高精度マルチスライスCTによる腰椎椎間孔の形態評価はL5後方すべりに伴うLFSの診断に有用であると思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005