発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011055692
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著者らは慢性腎不全患者の腰椎脊椎症10例に対し脊椎内視鏡手術を施行し、その短期成績および有用性について検討した。平均年齢は59歳、平均透析歴は19年、術後経過観察期間は平均8ヵ月であった。その結果、1)合併症は2例でみられ、1例は術後早期に破壊が進み固定術を追加し、もう1例は術中に硬膜損傷を認めるも、神経障害はなかった。また全例にアミロイドの沈着がみられた。2)VASスコアは、腰痛については術前5.6が2.1、下肢痛は術前7.2が2.6と、いずれも有意な改善が得られた。更にJOAスコアも術前6点が術後12点となり、平均改善率は67.4%であった。一方、RDQは術前18.3が術後8.9へ有意に改善した。3)痛みの心理的要因の評価の指標としてSDSを測定したところ、術前53点のうつ状態が40点のうつ傾向まで有意な改善が認められた。以上の結果から、慢性腎不全患者の腰椎脊椎症に対する脊椎内視鏡手術は、術後短期成績が良好であるとともに心理的な要因においても有用性が示された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010