発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010338486
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15歳男性。患者は棒高跳びで右手をついて受傷し、近医に第5中手骨底部骨折と診断され、著者らの施設へ紹介となった。受診時、右手背・手掌の著明腫脹、手背部で第5CM関節に圧痛が認められ、X線では第4~5中手骨間に小骨片を伴った転位の少ない第5中手骨底部骨折がみられた。また、CTでは第5中手骨底部は尺側へ転位し、第4~5中手間関節の離開が認められた。以上より、本症例は第5CM関節尺側脱臼骨折と診断され、手関節部での尺骨神経ブロック下に徒手整復が行われた。だが、握りこぶしで環~小指間が開大した状態がみられ、受傷後3日目に手術が施行された。術中所見では第5中手骨底部は第4中手骨底部から完全に離開しており、尺側へ亜脱臼していた。そこで、第5CM関節と第4~5中手間関節を整復後に第5中手骨骨幹部とKirschner鋼線で内固定した。その結果、前腕ギプスで5週間固定後に手関節自動運動を許可した。目下、術後24週で運動時痛はなく、自動運動域と握力の対健側比は100%に改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010