整形手術手技
高強度線維製人工靱帯による母指手根中手関節靱帯再建
伊藤 鑑
1
,
渡邉 健太郎
1名古屋掖済会病院 整形外科・リウマチ科
キーワード:
母指
,
手根中手関節
,
関節角度測定
,
脱臼骨折
,
人工靱帯
,
靱帯形成術
,
母指CM関節症
Keyword:
Fracture Dislocation
,
Thumb
,
Carpometacarpal Joints
,
Arthrometry, Articular
pp.1067-1072
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016403086
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1は21歳男性で、自動車事故で左大菱形骨骨折を伴う母指手根中手(CM)関節の脱臼骨折を受傷した。大菱形骨は粉砕して圧潰し、CM関節靱帯損傷により第1・2中手骨間の離開と第1中手骨の近位への転位を認めた。大菱形骨はDTJミニスクリューで固定したが、断裂したintermetacarpal ligamentとanterior oblique ligamentの縫合は困難と判断し、高強度線維製人工靱帯ZipTightで靱帯再建を行った。症例2は53歳女性で、7~8年来の両母指CM関節痛があった。CM関節の関節症変化と母指のZ変形を認め、Eaton分類stage IVであった。痛みの強い左母指に手術を行った。大菱形骨を摘出し、ZipTightで靱帯再建を行った。症例3は41歳女性で、2年来の左母指CM関節痛があった。ピンチ力が健側の7割に低下し、X線で亜脱臼を認めた。、Eaton分類stage Iと診断し、ZipTightで靱帯再建を行った。3例は術後6~14ヵ月で疼痛や可動域、ピンチ力が改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016