発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010338487
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13歳男児(テニス部)。患者は1年前に右手関節部痛が出現し近医を受診、腱鞘炎と診断され、特に治療されなかったが、その後も痛みが持続したため、X線でKienboeck病が疑われ、著者らの施設へ紹介となった。受診時、右手関節背側中央には圧痛がみられ、手関節可動域(ROM)は掌屈60°、背屈70°、橈屈10°、尺屈15°であった。更に握力は健側比73.6%であった。一方、X線では月状骨の圧潰と分節化が認められ、Ulnar varianceは-3mmであった。また、MRIではT1強調で月状骨全体に低信号領域、T2強調で等信号域の中に部分的に低信号領域が認められた。以上より、本症例はKeinboeck病、Lichtman分類stageIIIAと診断され、リストサポーター装着で局所安静を指導し、低出力超音波パルス治療を行った。その結果、4ヵ月経過で手関節痛は軽快となり、9ヵ月後には治療終了となった。尚、11ヵ月後のROMは掌屈90°、背屈70°、橈屈25°、尺屈55°で、握力は健側比107%となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010