発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009332395
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69歳女。左前足部の足底に5×5cmの軟部腫瘍を認め、圧痛はなく、皮膚との可動性は不良であった。MRIでは中足骨から中足趾節(MTP)関節レベルにかかる軟部腫瘍を認め、T1・T2強調画像とも低信号を呈し、ガドリニウム造影で強い造影効果を示した。軸位像で腫瘍は足底部から第1・2中足骨間と第3・4中足骨間に進入していた。血管造影像では膝窩動脈付近で血管の狭小化を認め、足底動脈は側副血行路で血流が保たれている状態であった。針生検では、myxoidな間質を背景に円形から一部多形成を示す細胞の増殖を認めた。また、mitosisが軽度みられ、中央にガングリオン様細胞が認められた。Acral myxoinflammatory fibroblastic sarcomaと診断し、Syme切断術を施行して問題なく創治癒した。切除材料は、針生検所見に加え、リンパ球や形質細胞などの炎症細胞の増殖を認め、特徴的なガングリオン様細胞やReed-Sternberg様細胞も認めた。術後5ヵ月現在、再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009