発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011055701
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19歳男性。患者は右下腿遠位外側の腫瘤および運動時痛を主訴に受診となった。初診時、右下腿遠位外側に7.5×4.5cm、弾性硬の腫瘤が認められたが、知覚障害や運動障害はなかった。だが、単純X線およびCTでは腓骨遠位外側の皮質骨は欠損し、海綿骨の骨梁が消失していた。一方、MRIでは骨外腫瘤が骨内病巣と連続してみられ、いずれもT1にて低信号、T2にて高信号、ガドリニウムで均一に造影された。以後、診断確定のため切開生検を行ったところ、病理組織学的に神経鞘腫であり、運動時の痛みは腓骨由来と考えられた。病的骨折の予防もかねて手術を行った結果、骨外の腫瘍と浅腓骨神経との連続性が確認され、骨外腫瘤部を同神経から核出後、骨内病巣とともに可及的に摘出した。また、骨内に残った腫瘍を掻爬し、骨欠損に対しオスフェリオンを骨内に充填後、表面をプリマフィックスで塗り固めた。目下、手術から1年経過で、骨内に充填した人工骨は吸収され、良好な腓骨の再造形がみられている。
©Nankodo Co., Ltd., 2010