発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178569
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64歳女。25年前から自覚していた右足背外側部の腫瘤が徐々に増大した。腫瘤は8×6×5cm、境界明瞭、弾性硬で、皮膚や周囲の組織とは可動性があり、知覚や運動の異常は認めなかった。X線で腫瘤内に斑点状の石灰化を認め、MRIのT1強調像では筋と同程度の不均一な信号、T2強調像では中心部高信号、辺縁部等信号を呈し、Gdで不均一に造影された。骨外性軟骨肉腫に類似した所見であったため、切開生検を施行した。腫瘍細胞は紡錘形で、細胞異型や核分裂像は認めず、免疫染色ではHHF35とα-SMAが陽性であり、平滑筋腫と診断した。腫瘍辺縁切除術を行い、腫瘍は周囲組織と容易に剥離された。術後の機能障害はなく、4年経過して再発はない。摘出標本の割面をMRI所見と対比すると、造影されない部分は肉眼的に水分を多く含み細胞成分が少く、よく造影される部分では細胞成分が多かった。細胞成分が少ない部分には石灰化が多く、一部には軟骨様化生に類似する所見を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008