発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009332396
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7歳女児。右股・膝関節拘縮を主訴とした。先天性股関節脱臼、足部変形に対し手術施行されていた。初診時、両眼隔離、眼球突出、頬部膨隆、小顎、軽度前額突出、歯列不整を認め、漏斗胸があり胸郭は狭く、手指と足趾は太く短縮し、趾間が開大しておりtree frog foot様であった。また、軽度精神運動発達遅延を認めた。単純X線で下顎骨は低形成で、軽度の頭蓋底硬化を認めた。鎖骨はやや短く、肋骨はリボン状変形し、椎体は前面が陥凹し、高さが増大していた。腸骨翼のflaring、腸骨遠位部の狭細化、外反股を認め、長管骨は彎曲し、橈骨近位はS字状変形を呈し、手関節はMadelung様変形を呈していた。脛骨近位も彎曲し、低位膝蓋骨を認めた。母趾基節骨は三角指節骨様で、末節骨の低形成を認めた。末梢血よりゲノムDNAを精製し、FLNA全翻訳領域をPCRで増幅し、変性高速液体クロマトグラフィー法で塩基配列を決定した結果、エクソン25の4197番塩基において、GからTへのヘテロのミスセンス変異と、リシンからアスパラギンへのアミノ酸置換を認めた。両親の同部位に変異はないことから、de novo変異と考えられた。
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