発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005154764
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著者らが2002年11月までの過去10年間に手術的に加療した手部軟部腫瘍症例を対象にその頻度と治療上の注意点について検討した.その結果,性別では男性13例,女性23例と女性が多い傾向がみられ,手術時年齢は男性17~62歳(平均40.5±15.3歳),女性23~67歳(50.0±10.9歳)と女性が高い傾向がみられた.術前症状では腫瘤自覚のみが23例と最も多く,疼痛合併6例,圧痛合併4例,疼痛自覚のみが3例であった.症状自覚から受診までの期間は平均21.7±26.0ヵ月(男性13.5±10.1ヵ月,女性28.0±29.9ヵ月)で女性の罹病期間が長い傾向があった.治療は全例摘出術を施行し,局所麻酔下手術が7例,伝達麻酔下手術が29例であった.摘出標本の病理組織学的所見では全例良性腫瘍で,腱鞘巨細胞腫が14例と最も多く,類上皮嚢腫7例,血管腫5例,脂肪腫3例,グロムス腫瘍・骨外性軟骨腫各2例,神経鞘腫・腱鞘線維腫・顆粒細胞腫各1例であった.腱鞘巨細胞腫の再発を1例で認め,再手術を行った
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