発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009314604
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1998~2007年に手術治療を施行した内転筋群発生の軟部肉腫11例(男7例、女4例、平均年齢23~81歳)を対象に治療成績を検討した。最終経過観察時の腫瘍学的転帰はalive with disease(AWD)1例、continous disease free(CDF)6例、no evidence of disease(NED)1例、died on disease(DOD)2例、died on other disease(DOOD)1例であり、高分化型脂肪肉腫3例を除く5年累積生存率は66.7%、再発率は9%であった。術中出血量は平均718mlで内転筋起始部の処置を要した5例では有意に出血が多かった。術後合併症は7例で創部感染3例、創部離解3例、下腿遠位型深部静脈血栓症1例を生じた。以上より、広範囲切除により局所制御が得られるが、付着物の処置を要する場合は出血や感染、軟部組織の欠損などの合併症に対する注意が必要と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009