発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007149735
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悪性骨・軟部腫瘍切除後の広範囲組織欠損52例に対する再建術の術後成績について検討した。1)軟部組織再建を行った37例では術後の合併症を17例(32.7%)に認め、それぞれ皮弁の血行障害8例、局所再発5例、感染4例であった。血行障害の原因は、遊離移植の5例はすべて静脈血栓で、有茎移植の3例中2例は術後巨大血腫による皮弁の圧迫であった。2)血管柄付き骨移植による骨格再建の12例では、術後の骨癒合率は92%で、骨癒合までの期間は上肢で平均3.8ヵ月、下肢で平均10.3ヵ月であった。また、移植骨の横径増大率は上肢7%、下肢34.8%で、下肢再建例で横径増大を有意に生じた。3)自家処理骨を併用した5例では、放射線処理骨の1例で移植骨の壊死・骨折を生じたが、血管柄付き脾骨再移植により骨癒合が得られた。また、オートクレープ骨4例中1例で亜急性骨髄炎を生じたが、抗生物質投与にて感染は沈静化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007