発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010269558
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1995年~2008年に手術的治療を行った米国対癌合同委員会(AJCC)分類T1(5cm以下)の成人非小円形軟部肉腫96例(男性49例、女性47例、18~85歳・平均51歳)を対象に、5cm以下の軟部肉腫の治療成績を検討した。34例が高悪性度で、62例が低悪性度であった。最終経過観察時の腫瘍学的転帰はCDF89例、AWD1例、NED4例、DOD2例であった。肺転移を2例に、リンパ節転移を2例を認めた。5年の累積生存率は94.1%であった。局所再発は1例認めた。5年の累積無病生存率は93.3%であった。4例に術後選択的放射線療法を、滑液肉腫の3例に初回治療時に化学療法を施行した。皮弁移植の併用は40例(42%)で必要とした。、5cm以下の軟部肉腫の生命予後および局所制御は極めて良好で、その多くは補助療法(化学療法・放射線療法)を併用しないことが可能であった。5cm以下の軟部肉腫においても多くが浸潤性発育を有し、安全な切除縁の確保が必須であった。5cm以下の軟部肉腫は切除が容易で、47%は前医で不適切切除を受けており、不適切切除例の51%に残存腫瘍を認め、追加広範切除が必要であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010