発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008366089
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胸壁発生の軟部肉腫44例を対象として、臨床成績及び病理学的評価について検討した。化学療法を4例に実施し、術後放射線治療を4例に実施した。20例で皮弁移植の併用が必要であった。術後病理組織診断により切除縁評価を行った結果、広範囲切除縁が38例、腫瘍辺縁部切除縁が6例、腫瘍内切除縁はなかった。8例で肋骨切除に伴う開胸手術が必要であった。最終経過観察時に、continuous disease free 26例、alive with disease 3例、no evidence of disease 12例、dead of disease 3例であった。累積生存率は、1年が95.1%、5年が5.5%であった。病理学的に肋骨、肩甲骨、胸骨への浸潤を2例に認め、いずれも再発例であった。局所再発は5例あった。累積局所制御率は1年が93.2%、5年が1.5%であった。悪性線維性組織球腫例は切除縁を確保できたが、12例中4例に局所再発を認めた。生命予後に有意に影響を与える因子は、局所再発、高悪性度であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008