胸壁・横隔膜の手術-その1 診断
胸壁原発腫瘍に対する外科治療の現状
川島 修
1
,
懸川 誠一
,
永島 宗晃
,
伊部 崇史
,
中野 哲宏
,
清水 公裕
1国立療養所西群馬病院 呼吸器外科
キーワード:
胸部外科
,
胸部腫瘍
,
骨腫瘍
,
形質細胞腫
,
骨肉腫
,
鎖骨
,
脂肪腫
,
神経鞘腫
,
脊索腫
,
肋骨
,
治療成績
,
胸壁
,
腫瘍量
,
組織球腫-悪性線維性
Keyword:
Bone Neoplasms
,
Chordoma
,
Clavicle
,
Lipoma
,
Neurilemmoma
,
Plasmacytoma
,
Ribs
,
Osteosarcoma
,
Thoracic Neoplasms
,
Treatment Outcome
,
Thoracic Surgical Procedures
,
Thoracic Wall
,
Tumor Burden
,
Histiocytoma, Malignant Fibrous
pp.9-14
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014106922
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1992年1月~2012年12月の21年間に全身麻酔下に手術を施行した呼吸器外科対象疾患3022例中、病理組織学的に胸壁原発腫瘍と確定診断された30例(男性11例、女性19例、年齢16~79歳、平均年齢57.6歳)を対象に、診療録をもとに臨床病理学的に後ろ向きに検討した。その結果、1)発見動機は検診および人間ドックが17例(56.7%)、他疾患経過観察中が3例、自覚症状が10例であり、自覚症状は体表の腫脹5例、疼痛4例、上肢のしびれ1例であった。2)術前診断は5例に経皮的針生検が行われ、良性であった3例は確定診断が得られたが、悪性腫瘍の症例では確定診断に至らず、残る25例は画像診断のみで手術が行われた。3)手術は原則として硬膜外麻酔+全身麻酔のもとに行われ、切除後の病理組織学的診断では30例中23例(76.7%)が良性腫瘍で、残る7例が悪性腫瘍で全例女性であった。良性腫瘍の内訳は神経鞘腫10例、脂肪腫6例、孤立性線維腫2例、神経線維腫3例、線維粘液腫・内軟骨腫各1例であった。悪性腫瘍の内訳は肋骨原発骨髄腫・MFH各2例、肋骨原発骨肉腫・傍脊索腫・悪性末梢神経鞘腫各1例であった。4)予後は良性腫瘍群には再発・原病死は認められなかったが、悪性腫瘍群では7例中5例が原病死した。
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