発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008366088
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腰椎変性すべり症83例を対象に、MRIでの関節液貯留と腰痛との関連、更にX線学的所見との関連について検討した。対象は手術的治療例60例、保存的治療例23例であった。椎間関節液貯留(椎間関節水症)は83例中51例でみられ、程度は、高度10例、中等度17例、軽度24例であった。32例ではみられなかった。椎間関節水症の程度と腰痛の程度とをJOAスコアの腰痛スコアで比較した結果、高度群2.0点、中等度群1.47点、軽度群1.87点、なし群1.75点で、各群間で有意差はなかった。numerical rationg scale(NRS)を調べたのは49例で、この評価法でも差は認めなかった。また、程度が高度と中等度のものを「関節液貯留あり」、軽度及びなしを「関節液貯留なし」として同様に検討した結果、椎間関節液貯留の有無と腰痛において関連はみられなかった。椎間関節水症の程度とJOAスコア(29点満点)との関係については、高度、中等度、軽度、なしの各群間で有意差はなかった。椎間関節水症の程度とX線学的所見との関連では、関節液貯留なし群に比べ関節液貯留あり群で椎間ROMが有意に大きかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008