発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008149278
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
61歳男。腰痛と左臀部から下肢のしびれを主訴とした。膝蓋腱反射、アキレス腱反射は両側とも低下していたが知覚鈍麻はなく、徒手筋力テスト(MMT)は左前脛骨筋5-、長母趾伸筋4+であった。単純X線ではL4に後方すべりを認めた。MRIでは1年程度の間にL4/L5左椎間関節から発生した腫瘤が硬膜管を圧排するのを認め、さらに半年間で増大してT2強調像の信号が変化した。左L5神経根障害と考えL4の部分椎弓切除を行うと、黄色靱帯内に左L5神経根の分岐部を圧迫する腫瘤を認めた。病理組織学的には肉芽組織であり、その中に線維化、血管増生、炎症細胞、軟骨化生、一部に石灰沈着を認めた。術後早期に下肢のしびれは消失し、MMTは左前脛骨筋、長母趾伸筋ともに5となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008