発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011125719
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80歳代男。約4年前に誘因なく右臀部から大腿後外側面に疼痛および右下肢脱力感が出現し、近医にて保存的治療を受けたが改善せず当科受診した。MRIでL3/L4、L4/L5椎間レベルの硬膜管の狭小化を認め、腰部脊柱管狭窄症と診断して保存的治療を行い、一時症状は軽快していたが、約半年前より症状増悪して両側性となり、50mの間歇跛行も出現した。再度MRIを行ったところ、L3/L4椎間レベルの硬膜管の狭窄が増悪しており入院となった。腰椎単純X線像では変形性変化を軽度認め、腰椎脊髄造影およびミエロCTでは硬膜管を圧排する所見がL3/L4レベルで高度に、L4/L5レベルで軽度に認めた。MRIではL3/L4レベルで硬膜管はその背側組織により高度に圧排され、組織はT1強調画像で軽度低信号、T2強調画像で高信号と低信号の混在を呈し、またL4/L5レベルはT2強調画像で低信号を呈した組織により圧排されていた。黄色靱帯血腫を伴った腰部脊柱管狭窄症を疑い、L3/L4、L4/L5椎間レベルの後方除圧を行い、病理組織所見より確定診断した。術後は下肢痛、間欠跛行は消失し、JOAスコアも改善し、経過良好である。
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