発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016086562
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過去10年間において、L2/L3外側ヘルニアおよびL3/L4外側ヘルニアで手術的治療あるいは神経根ブロックで痛みの消失が確認された例を対象に、L2/L3外側ヘルニアによるL2神経根単独障害(L2神経根症)およびL3/L4外側ヘルニアによるL3神経根単独障害(L3神経根症)の臨床所見について検討した。L2神経根障害26例(男性22例、女性4例、41~90歳、平均63歳、手術12例、神経ブロック14例)、L3神経根障害41例(男性25例、女性16例、34~89歳、平均66歳、手術16例、神経ブロック25例)を対象とした。これらの症例において、腰痛の部位、下肢症状、神経学的所見について検討した。腰痛、下肢痛の程度は数値化評価(ADL)、障害はRoland-Morris Disability Questionnaire(RDQ)で評価した。L2、L3神経根症の臨床的、神経学的特徴が明らかになった。L2、L3神経根症における腰痛は後方腸骨稜部に多くみられ、大転子外側部痛を伴うこともあった。下肢症状はL2神経根症では大腿前面の痛み、しびれが中枢部~中程にかけて多くみられ、L3神経根症では中程~遠位部、さらには膝前面にかけてみられることが多かった。
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